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東京地方裁判所 昭和42年(借チ)1061号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一 本件資料によれば、次の事実が認められる。

1 申立人は相手方からその所有する江戸川区平井三丁目二、一四五番の一二宅地六六一一平方米(二〇坪)、(本件土地)を昭和二五年一二月一日非堅固建物所有の目的で賃借りし、その地上に木造瓦葺平家建居宅一棟床面積19.83平方米(本件建物)を所有し、これに居住してきたが、家族五人の住居として狭隘にすぎるため、本件建物を取り毀した上で別紙記載のごとき木造二階建居宅床面積一、二階合計約七六平方米の建物を新築する計画をたて、相手方の承諾を求めたが拒絶された。

2 本件借地契約の期間は、契約書によれば、前借地権者との間の期間を承継し、昭和三六年四月一日までと定められている。しかし、前借権地者との間の借地契約の始期は明らかではないにしても、昭和二五年よりあまり遡るものでないことが認められるから、右期間の定めは無効というべく、結局期間の定めのない賃貸借と解すべきである。

3 相手方は申立人に対し、昭和三五年一二月二八日期間更新の拒絶の、昭和三七年八月七日賃料不払いを理由として契約解除の、昭和四三年一月一六日申立人が相手方に対して暴行を働く等借地契約を継続しがたい事由があるとして契約解除の各意思表示をなし、同年三月右諸事由に基づき本件建物の収去及び本件土地の明渡を求める訴訟を提起した。しかし、本件借地契約の期間は前記のとおり昭和五五年頃までと認められるから、更新拒絶の意思表示はその効力を生じない。さらに、賃料不払いは、相手方が調停を申立てた際賃料の受領を拒絶したことにより生じたものであり、その後申立人は賃料を供託している。また、申立人の暴行等についてもその事実を認められないわけではないが、一時の興奮のあまりに出たものというべく、信頼関係を破壊するに足りるものとは解しがたい。従つて、当裁判所は右の事由による契約解除の意思表示もまた効力を生じないものと解する。

4 その他申立人の計画する本件改築計画を不当とする事由は認められない。

二 以上により、本件改築はこれを許可するのを相当とする。

そこで、附随の処分を検討する。

1 借地契約における期間については、その始期が不明であり、本件改築が新築にあたることを考慮し、本裁判において裁判確定の日から二〇年と定めることとする。

2 鑑定委員会は、本件土地の価格を3.3平方米につき一五万円、借地権価格をその七割、借地契約の残存期間を一二年、新築建物の耐用年数を三〇年、従つて存続期間の延長一八年として、借地権価格の三〇分の一八の一割に相当する金一二万六千円を基礎とし、これに諸般の事情を考慮して金一四万円を申立人が相手方に給付すべき金額としている。当裁判所は、右意見を参考とした上で、申立人が既に相手方に対して支払いを考慮している金額である金二〇万円の支払いを命ずるのが相当であると認める。

3 賃料については、鑑定委員会の意見に従い、3.3平方米につき一ケ月金五〇円とする。(西村宏一)

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